高森先生 両国国技館ご講演

平成11年4月1日の顕正新聞を紹介します。

出典:wikipedia
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国技館で『歎異鈔』を詳説

平成11年2月28日、都知事選で揺れる首都東京の両国国技館で、高森先生ご法話が開催された。
演題は、「歎異鈔第二章」。

仏教書の中で最も名高い『歎異鈔』は、古今の名文として知られ、親鸞聖人のお言葉が臨場感あふれる筆致で記されている。

その第二章は、七百五十年前、京の親鸞聖人のみ許へ、関東から訪ねていった不惜身命の同行たちに、聖人が徹骨の慈愛をもって仰有ったお言葉である。
多くの危険をあえて冒してまで、関東の同行が聖人に直にお聞きしたかったのは、何か。

それは、人生究極の目的である往生極楽の道ただ一つであった。

臓器移植してまで生きる意味は?

折しも、日本中の関心は刻々と報じられる脳死と臓器移植の話題に集まっていた。
その最中に高森先生は、世間の議論には、いずれも後生の一大事がまったく抜け落ちていることをズバリ指摘なされた。

人は死ねばどうなるか。
脳死判定をめぐって議論を重ねる医師たちも、それを見守る大衆も、死後の魂の行き先にはほとんど無知、無関心である。
それどころか、ドナーカードに見られるように、臓器提供者は死後、みんな天国にでも行けるかのような安易な死生観が、暗黙の前提になってはいないだろうか。

また、医学の目的は、結局延命に尽きるが、他人の臓器を移植までして命を延ばすのは、一体何のためか。

まさに、生きることは無条件に良いこと、と信じて疑わぬ人々の最大の盲点が、この人生の目的であり、それを仏法は、
後生の一大事の解決をして往生極楽の身になること、と説くのである。

『歎異鈔』の流麗な文章を通して、高森先生は、この生死の大問題を根底から解明され、聴衆は大きな感動に満たされた。

盛んな仏法讃嘆

会場は、関東一円を中心に全国からの参詣者であふれたが、聴衆の中には、『世界の光・親鸞聖人』完結編の聖人役の声優・柴田氏の姿もあった。
柴田氏は、深夜の仕事で、ほとんど徹夜明けの聞法であったが、真剣な聴聞のあと、感想を次のように述べた。

第二章のお言葉を、親鸞聖人が実際どのように話されたのか、高森先生のご説法で良く分かりました。
 やはり生の講演会はちがいますね

と、役作りの熱心さをうかがわせる。

昼休みには、『世界の光・親鸞聖人』第5部の後半が会場で上映され、第二章の真意を理解する上で欠かせぬ後生の一大事の重さ、当時の関東の状況などを映像で学んだ。

また、法友同士がなごやかに語らう光景も、会場各所で見られた。

その中で、東京大学のOB多数が、昼休みに会場後方に集まり、学生時代の思い出や将来の抱負を語り合って、交流を深めたのが注目を集めた。
いずれも現在は、社会の第一線で活躍する青年部員や、医師や弁護士として聞法を続けているメンバーで、その中には、本会顧問公認会計士の舘氏らもいる。

昭和55年に、東大に学生部が発足して以来、多くの東大生が親鸞聖人の教えを聞き求めている。
真宗の未来を切り開くたくましい活動を、現在も展開中である。

編集後記

今では運転免許証の裏面に、ドナーカードのように臓器提供の意志を書けるようになっていますね。臓器提供の意志がある人が増えて、助かる人も増えることはとても嬉しいです。

一方で臓器移植を通して改めて「臓器移植までして生きる意味は何か?」と知らされました。

その生きる意味が明らかにされた、親鸞聖人の教えをお聞きできることに感謝せずにおれません。

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