今回は、K.R.さんにインタビューしましたので、紹介します!

子供の頃のK.R.さん
北陸で生まれ育ちました。
子供の頃は本を読むのが
好きなおとなしい子でした。
妹は甘え上手で、
大人に可愛がってもらえたのですが、
私は甘えるのが下手で、
ずっと我慢し、生きづらさを感じていました。
妹と比べ、可愛がってもらえない
自分には価値がないのだなと思い、
孤独を感じていました。
小学校で先生が授業中、
「2人ペアになってください」
と指示を出すとき、
自分と相手の他にもう1人が来て、
3人になってしまうような時は
自分は我慢して、
いつも譲ってしまいました。
他の人は幸せになれるけど、
自分は幸せになれないと思っていました。

仏教を聞いたきっかけは?
大学1年生の秋に、
仏教を聞くご縁に恵まれました。
大学に入るまでは、
自宅で受験勉強を1人で続ける、
自宅浪人をしていました。
自分との戦いで、とても大変でした。
1年間頑張ったからといって、
必ず合格できると約束されるわけではなく、
何のために頑張っているのか、
分からなくなることがありました。
大学に行ったらきっと何かがあると思って、
頑張りました。
そして大学に合格することができ、
日々を充実させようと、
色々な人と出会ったり、
色々なことをしようと思い、
スケジュール帳を予定で埋め尽くしたのですが、
埋めても埋めても、
心が虚しいことに悩んでいました。
そんな時、あるきっかけで
仏教を聞くご縁に恵まれました。
聞いていく話の中で、
「あなたの大学4年間、何色でしたか?」と
卒業生にインタビューをしたところ、
灰色など、とても満足しているとは
思えない色を答える人が多いことを聞き、
まさに自分の未来を言い当てられたような
感じがしました。
その時、私はまだ1年生でしたが、
このまま4年間過ごしても、
この虚しさは一緒だろうと
感じていたからです。
将来も何をしたらいいか分からなかったので、
続きを聞いてみたいと思いました。

仏教を聞いて感動したことは?
まず、感動というか、絶望しました。
当時私は、
今は孤独でも、きっといつか、
誰かと分かり合えることがあると
願っていたのですが、
人生は生まれてから死ぬまで
孤独であることが、
仏教には教えられていることを
知らされたからです。
江藤淳さんが奥さんを亡くされたエピソードや、
愛についての哲学者の言葉を聞き、
それらが否定できない事実で
あることに、絶望しました。
そうして、限りある人生で、
限りない欲を満たそうとしていながら、
決して満たされることはなく、
絶対に死からは逃れられない。
そんな絶望の中で生きる目的があると
教えられていることに、
絶望が希望となり、感動しました。
誰にいうともなく、家内は、
「もうなにもかも、みんな終ってしまった」と、呟いた。
その寂寥に充ちた深い響きに対して、私は返す言葉がなかった。実は私もまた、どうすることもできぬまま「みんな終ってしまった」ことを、そのとき心の底から思い知らされていたからである。(中略)
薬のせいで気分がよいのか、家内が穏やかな微笑を浮べて、私を見詰め、
「ずい分いろいろな所へ行ったわね」といった。(中略)
「本当にそうだね、みんなそれぞれに面白かったね」
と、私は答えたが、「また行こうね」とはどうしてもいえなかった。そのかわりに涙が迸り出て来たので、私はキチネットに姿を隠した。
江藤淳『妻と私』
愛情の幸福にすっかり身をゆだねる人の心情が深く、かつ純粋であればあるほど、その人は確実に、そして完全に、不幸になるであろう、死によってこの苦い経験からのがれるのでないかぎり。
ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳『幸福論』
聞き続けようと思ったのは?
この絶望を解決しないといけないと
思ったからです。
仏教から離れたら、後悔すると思います。
欲を満たすことだけ考え一生生きても、
医者に「ご臨終です」と言われる時に、
今まで何をしていたのだろうという後悔と、
これからどうなるのだろうという恐れが
代わる代わるやってくると、
お釈迦さまは教えられています。
死後、人間であったとき、
どうしてもっと真剣に仏法を
聞かなかったのかと後悔することも、
頭だけでも分かっています。
だから辛いな、嫌だなと思う時が
あっても、聞こうと思います。
大命将に終らんとして悔懼交至る。
『大無量寿経』
今の聞法の原動力
私に後生の一大事があるように、
大切な人にも後生の一大事があります。
どれだけご飯を作ってあげたり、
優しい言葉をかけてあげたりと、
一生懸命大事にしてあげたところで、
必ず終わりがあります。
終わりがあると考えると
仏法を伝えなければならないと
思います。
また、仏法を一人で聞き続けることはできません。
自分自身が聞き続けるためにも、
支え合える大切な仲間を作りたいと
思って頑張っています。

今後の抱負
誰にも相談できず、
どこにも頼れない不安を抱え、
一人で悩んでいる人の力になりたいと思います。
そうして頑張って延ばす命を
活かす人生の目的があることを、
ご縁のある方に伝えていきたいと思います。
編集後記
K.R.さんの明るく優しいお人柄に、
周りの我々はいつも元気づけられています。
独り悩む方々の声を聞き、手を差し伸べる姿に
学ばせていただくことばかりです。
後生の一大事、解決するところまで
皆共に、進ませていただきたいと思います。